販売中の各コーヒー豆の風味の特徴について

ウチのコーヒー豆の1番の特徴は「酸っぱくない」事です。

【酸っぱくなくて、味と香りはしっかり、後味はすっきり】なコーヒーにこだわって焙煎しています。

その為に、生豆を水洗いして余分な薄皮や汚れなどを取り除き、キレイになった生豆を深めの焙煎で仕上げています。

同じような好みの方に喜んでもらえたら嬉しいです。

このページでは

①焙煎具合の違いによる味の特徴
②販売中のコーヒー豆の味や風味の特徴一覧

についてまとめてあります。

お好みの銘柄を選ぶときに参考にしていただければ幸いです。

さらに下の方には【コーヒー豆の精製方法による風味の違い】というちょっと小難しい話もあるので、興味があれば読んでみてください。

①コーヒー豆の焙煎具合について

コーヒー豆の焙煎具合は2種類で【中深煎り】【深煎り】です。

個人的に、酸味が無くてしっかりしたコーヒーが好きなので、一番浅い焙煎具合でも酸味が無いところまで深く焙煎しています。

便宜的に中深煎りと深煎りに分けてはいますが、ウチの中深煎りは一般的な基準に当てはめると深煎りになると思いますので、普段深煎りのコーヒーを飲み慣れていない人にとっては少し濃いめに感じるかもしれません。



◎中深煎りを焙煎するときの全体的な風味のイメージは
「酸っぱくなく、コーヒー豆それぞれの風味の特徴が一番感じられるくらい」を目指しています。

・中深煎りはこんな方にオススメ

初めてウチのコーヒーを飲む方
酸味がなく飲みやすい感じのコーヒーがいい方
軽めのお菓子に合わせるコーヒーをお探しの方


◎深煎りを焙煎するときの全体的な風味のイメージは
「酸っぱさがなく、重くしっかりとしたコーヒー感と甘さ、多少の苦味が感じられるくらい」を目指して焙煎しています。

・深煎りはこんな方にオススメ

どっしり濃い感じのコーヒーが好きな方
多少苦味があるコーヒーが好きな方
ブラックでもミルク入りでもしっかりコーヒー感が味わいたい方
甘いお菓子に合わせるコーヒーをお探しの方

②-1 定番のコーヒー豆7種類の味などの特徴について

(ブレンド、ディカフェについては次の項目以降で書いています)

◎中深煎り 4種類

【コロンビア】
精製方法はウォッシュドです。
比較的軽めのコク、ナッツのような香ばしさ、カカオのような風味と優しい甘みが特徴。
軽めでバランスのとれたコーヒーという感じです。
ブラックであっさりしたコーヒーが飲みたい時、軽めの焼き菓子に合わせる時などにオススメです。


【スラウェシ】
精製方法はスマトラ式のウォッシュド(セミウォッシュド)です。
やや重ためのコク、スパイシーさ、僅かに感じられるバターのような風味、ハーブやミントのような余韻など、独特で複雑な風味が特徴。
ちょっとクセのある濃いめのブラックが飲みたい時にオススメです。
アイスにするとハーブ感が際立ち、最高です。



【エチオピアW(ウォッシュド)】
精製方法はウォッシュドです。
程よいコク、全体的にクリアな味わいとなめらかな口当たりで、ベリーのような果実感のある
風味と香りの余韻が特徴。
冷めてくると、透明感はそのままで果実感が増してきます。
冷めても最後まで美味しいので、ホットのブラックをゆっくり時間をかけて楽しみたい時にオススメです。
アイスにすると、爽やかな果実感でスッキリ飲めて美味しいです。



【エチオピアN(ナチュラル)】
精製方法はナチュラルです。
重ためのコク、茶葉のような香ばしさと、苦味と辛味が感じられます。
ナチュラルらしい赤ワインのような豊潤な果実感があり、スパイシーで全体的に力強く複雑な風味のコーヒーです。



◎深煎り 3種類

【グアテマラ】
精製方法はウォッシュドです。
しっかりめのコク、風味のクセはなく、やや強めの甘みと苦味が特徴。
温度が下がってくると、わずかにリンゴのような風味も感じられます。
ブラックで飲むと、力強い深煎りらしいコーヒー感を楽しめます。
ミルクで割ると苦味が落ち着き、甘さが引き立つことでキャラメルのように濃厚な甘さを楽しめます。



【スマトラ】
精製方法はスマトラ式ウォッシュドです。
どっしり重たいコク、程よい苦味と茶葉のような香ばしい香り、
ハーブのような風味の余韻やスパイシーさが感じられる少し独特な風味が特徴。
ゆっくり時間がある時にホットのブラックをちびちび飲みたい感じです。
暑い季節は急冷で濃いめに淹れたスマトラのアイスもオススメです。



【ケニア】
精製方法はウォッシュドです。
重たいコク、僅かな果実感、まったりとなめらかで柔らかい飲み口が特徴。
どっしり丸く重たい感じで、風味のクセはなく、深煎りの中では1番飲みやすいと思います。


②-2 ブレンドのコーヒー3種類について

【しっかりめのブレンド】
元々はウチのお店のエスプレッソ用のブレンドですが、
お店でラテやアメリカーノを注文してくれたお客さんから、
「これに使ってる豆は買えますか?」と、よく聞かれるので
「濃いめのブレンド」として販売を始めることにしました。

ブラック、ミルク入り、ホット、アイス、どれで飲んでも
美味しく飲めるような濃いめでバランスの取れたブレンドです。

コーヒーバッグの黒い方のカフェインありには
このブレンドを使っています。


【あっさりめのブレンド】
近所のおじいちゃんからのリクエストで作った
クセがなく飲みやすいバランスの取れたブレンドです。

中深煎りのコロンビアをベースに深煎りのグアテマラ を混ぜています。


【ディカフェのブレンド】
中くらいの濃さでバランスが良いカフェインレスのブレンドが欲しくて作りました。
程よく濃くて、風味のバランスが取れていてクセがなく穏やかな感じです。
香りの良い中深煎りのエチオピアをベースに、優しい風味のコロンビアをブレンドしています。
自分用の「いつものディカフェのコーヒー」にしたり、相手の好みが分からない時の贈り物にも良いかと思います。




②-3 ディカフェ(カフェインレス)のコーヒー2種類について

僕自身、夕方以降にカフェインを摂り過ぎると夜寝るときに寝つきが悪くなって辛かったので、
【ディカフェなのに、普通のコーヒー豆と比べても遜色ない美味しさのコーヒー】を目指して作りました。

個人的には、「ディカフェだよ」と言われても、分からないくらいに仕上げられていると思います。
夜眠れなくなる人だけではなく、妊娠中や授乳中の方にも美味しいコーヒーを楽しんでいただけたら本望です。
美味しいカフェインレスを探している方には一度飲んでみて欲しいです。

ディカフェの定番の豆は気分や好みで選べるように3種類あります。


【中深煎りのコロンビア】は
【あっさりめ】です。

全体的に優しい風味で、甘さと香ばしさがありバランスがいい感じです。
美味しくて飲みやすいディカフェのコーヒーを探している方におすすめです。

【中深煎りのエチオピア】は
【中くらいのコーヒー感】です。

程よいコクで、ベリー系の果実のような香りの良さが特徴です。
どっしりでもなく、あっさりでもない、中くらいの強さのコーヒーという感じです。

【深煎りのスマトラ】は
【しっかりめ】です。

どっしりとしたコクと程よい苦味で、濃いコーヒーを飲みたい欲が満たされます。
スマトラらしいワイルドさ、ハーブ感も少し感じられます。
濃いめのコーヒーが好きな方にオススメです。


コーヒー豆の精製方法ってなに?という話

◎精製方法について

コーヒー豆は果実の種の部分なので、コーヒー豆として出荷されるまでの間に、
必要の無い果肉や粘膜などを取り除いたり、出荷に適した水分量まで乾燥させます。
その作業を【精製】と呼びます。

精製は作業内容によって大きく4種類に分類され、その種類のことを【精製方法】と呼びます。

また、精製方法の違いによってコーヒー豆に含まれる成分等が変わるため、コーヒーの風味に大きく影響します。

※精製される前のコーヒー豆は5層くらいの皮、果肉、殻などで守られています。
「5.果実の外皮 > 4.果肉 > 3.粘膜 > 2.殻 > 1.薄皮 > 0.コーヒー豆(種)」

収穫されたコーヒーの果実は、精製される間に2.の殻まで取り除かれて、種の部分に多少薄皮が残っている状態でコーヒー豆として出荷されます。

風味の変化に関しては、精製作業のどの段階で果肉や粘液を除去するのか、
殻をいつ脱穀するのか、などが大きなポイントになっています。

精製方法による風味の違いについて

◎精製方法の種類と風味の特徴について

1.ウォッシュド(水洗式)

世の中に出回っているコーヒー豆の多くはこの精製方法が使われています。
最初に機械などで果肉を除去し、粘膜が付いたままのコーヒー豆を発酵槽と呼ばれる大きな水路に1日〜3日ほど浸し
【粘膜を発酵させる】のがウォッシュドの精製方法のポイントです。
発酵させた後は、柔らかくなった粘膜を水洗いで除去し乾燥させ、最後に殻を脱穀して出荷されます。

糖分を含んだ粘膜を発酵させることで、ウォッシュド独特のオレンジ、リンゴ、モモなどの果実系の甘味や酸味がコーヒー豆に移ります。

発酵過程のあるウォッシュドで精製されたコーヒー豆の風味は
【果実のような甘味や酸味のあるコーヒー】【透明感があるクセの少ないコーヒー】になることが多いです。


2.スマトラ式ウォッシュド(セミウォッシュド、半水洗式)

スマトラ式のウォッシュドは天候が不安定になりやすいインドネシアの島々で使われる伝統的な精製方法です。

スマトラ式のウォッシュドの場合は【発酵過程は無く、脱穀の前後の2回に分けて乾燥させる】のがポイントです。
果肉の除去後に1度目の乾燥を行い半乾きにします。
半乾きになったら、2度目の乾燥の前に殻を脱穀し、生豆の状態で乾燥させます。

この精製方法を行う理由は、天候の変化が起きやすいインドネシアでコーヒー豆を出荷できる状態まで素早く乾燥させるためだと言われています。
この精製方法が風味に与える影響としては、乾燥の前に果肉や粘膜を除去するので、甘味や酸味といった果実のような風味は無く、他の精製方法とは違う独特の風味が生まれます。

スマトラ式ウォッシュドで精製されたコーヒーは
【酸味は少なく、しっかりしたコクがあり、大地や植物のような独特の風味や香りが感じられるコーヒー】になることが多いです。


3.ナチュラル(乾燥式)

ナチュラルはエチオピアやブラジルで使われることが多い精製方法です。

果肉が付いたままのコーヒー豆を天日干しし、乾燥させた後で脱穀してコーヒー豆を取り出すシンプルな方法です。

【コーヒー豆に果肉が付いたまま乾燥させる】
のがポイントです。
乾燥する際に果実の中で粘膜の糖分が発酵したり、果肉がドライフルーツのようになっていく過程で、その風味がコーヒー豆に移り、【豊潤な果実感のある風味や甘味のあるコーヒー】になります。



4.パルプドナチュラル(ハニープロセス)

パルプドナチュラル(ハニープロセス)は主にブラジルで使われている精製方法です。
イメージ的にはウォッシュドとナチュラルの間のような精製方法です。
最初はウォッシュドのように果肉を除去しますが、粘膜は残します。
ウォッシュドの場合はこの段階で水につけ発酵させますが、
パルプドナチュラルの場合は【粘膜が付いたままの状態で乾燥させ、発酵させる】のがポイントです。
乾燥させた後は脱穀して出荷されます。
粘膜がついたまま乾燥させることで、発酵した粘膜の風味がコーヒー豆に移り、ナチュラルほどではありませんが、【果実感のある風味と甘味のあるコーヒー】になります。